白雪姫の王子様




「へぇ、じゃあ俺と一緒だな。俺も昔空手やっててよ。……まぁ、今は剣道一筋だけど」


「そうなんだ!」



それから少しの間、フレンドリーな彼の雰囲気に乗せられてか、随分と話してしまった。


初対面の……しかも男の子とこんなにも話したのって、初めてかもしれない。


気さくだしとってもいい人そうだし助かった。


いきなり文化委員なんて不安だったけど、間宮くんがいるなら心強いよ。


……はっ! もしかしてこれって、おまじないの効果なんじゃ!?


そう、小さな感慨に耽っている時だった。



「白雪ー、帰るよー?」


「あっ、ちょっと待って今行く!」



由利の声がして初めて、時間の経過に気がついた。



「じゃあね、間宮くん。また!」



私はそう彼に言うと、由利の元へと急いだ。




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