愛してるの代わりに
「と、僕の話はこれでおしまい。今度は崎坂さんが頑張る番だよ」

「え?」

「僕を振った代わりに、ちゃんと自分の気持ちを伝えること!」

「でも……」

「でもじゃない! 伝えなかったら僕、どんな手使っても崎坂さんを手に入れるよ?」

「え!?」

「半分は冗談、でも半分は本気だよ」

まるでさっきの告白はなかったかのように明るく振舞ってくれる中塚の優しさがありがたい。




「さ、料理が冷めちゃったら美味しくなくなる。食べよう食べよう」

「……はい!」

今はその優しさに応えよう。

悩むのは家に帰ってからだ。

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