愛してるの代わりに
クリスマスの誓い
☆クリスマスの誓い☆
12月に入り、雛子の職場も年の瀬に向かい忙しくなってきていた。
そんな折、課長から会議室へ行ってきてほしい、との命を受け、雛子は急ぎ足で会議室へと向かう。
ノックをすると「どうぞー」と中から声がかかった。
「失礼します」
「崎坂さん、忙しいところ呼び出してごめんね。さあ、座って」
会議室にいたのは中塚と、彼の上司である広報課の課長のふたり。
中塚に促されるまま雛子が椅子に座ると、目の前に資料が置かれた。
表紙には『次年度広報ポスターについて』と書かれてある。
ページをめくった雛子の手が止まるのと、広報課長が話し出すタイミングはほぼ同時だった。
「早速なんだが、今月の24日に中塚くんと東京に出張に行ってもらいたいんだ」
「来年度の市の広報ポスターにうちの市出身の宮脇慎吾さんを起用することになった。宮脇さんには市の観光大使も務めてもらう。24日に東京でポスター撮りを行うことになっていて、崎坂さんにはたぬ郎の仕事をお願いしたいんだ」
「崎坂さん? 大丈夫?」
「……は、はい。大丈夫です」
12月に入り、雛子の職場も年の瀬に向かい忙しくなってきていた。
そんな折、課長から会議室へ行ってきてほしい、との命を受け、雛子は急ぎ足で会議室へと向かう。
ノックをすると「どうぞー」と中から声がかかった。
「失礼します」
「崎坂さん、忙しいところ呼び出してごめんね。さあ、座って」
会議室にいたのは中塚と、彼の上司である広報課の課長のふたり。
中塚に促されるまま雛子が椅子に座ると、目の前に資料が置かれた。
表紙には『次年度広報ポスターについて』と書かれてある。
ページをめくった雛子の手が止まるのと、広報課長が話し出すタイミングはほぼ同時だった。
「早速なんだが、今月の24日に中塚くんと東京に出張に行ってもらいたいんだ」
「来年度の市の広報ポスターにうちの市出身の宮脇慎吾さんを起用することになった。宮脇さんには市の観光大使も務めてもらう。24日に東京でポスター撮りを行うことになっていて、崎坂さんにはたぬ郎の仕事をお願いしたいんだ」
「崎坂さん? 大丈夫?」
「……は、はい。大丈夫です」