私はもう恋をしない



自転車通学らしく

かごに自分の荷物と

私の荷物を入れ

こぎはじめた



「おまえ、うなされてたぞ」

彼はいきなり言い始めた


うなされてた?私が?え?

全く理解できない私に

彼はまた話し始めた

「汗もすごかった。気分悪かったら学校くんなよ。まじ迷惑したわ」

そう言う彼に私は

いらいらしてきた


「私だって来たくて来たわけじゃないわよ。留年やばいからって言われたから仕方なく来たのよ」

そう言うと彼は

「お前家このへん?」

と言ってきた



私は自分の家を教えてない

ことに気づいて我に返った

「あ、そこ右に曲がったとこにあるからここで大丈夫」

彼は自転車を止めて

荷物を渡してきた


「次は倒れんなよ。じゃあな」

それだけいって

もと来た道へ戻って行った




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