忘れられない人がいる。
隼人は私を、
“悪くない”って言ってくれた。
優しいから・・・隼人は。。。
「優しすぎるよ!!
だって私をかばって隼人はッ」
「俺さ、綾と二人で行きたいトコ
あるんだーー。」
私の言葉をさえぎって
つぶやいた。
「二人で・・・行きたいトコ?」
「ぉう。」
隼人は『フーーー』っと
長く息をはくと、
懐かしい話を始めた。
「綾はさ、覚えてる?
塾のテストの点数が悪い時はなかなか家に
帰れなくて。。。二人で寄り道した
水平線の見える堤防。」
「うん。覚えてる。」
「死んでさ、
2年ぶりに綾に会って思い出してさ・・・」