忘れられない人がいる。

突然の隼人の昔話は懐かしくて、
まさに何度も私が
戻りたいと思った頃の話だった。

「俺、また綾と二人で
あの堤防に行きたいんだ。」


ドキ・・・


。。。あれ?
今、私、ドキ・・・って。
隼人は死んじゃってて幽霊で。
私が好きになって良い相手じゃないのに。

私のせいで隼人は亡くなったのに・・・
私、何考えて。

「“二人で”とか言ったら
女子は勘違いするから駄目だよ・・・」

「良いじゃんかよ。
俺にとって綾が大切なのは事実だし。」


隼人の言う“大切”が、
幼なじみとしてという事は分かってる。
でも、それでも、
私の胸は締め付けられる。


・・・好きという気持ちに。。。
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