深月のこころ2
「正しい選択なんて、死ぬまで誰にもわからないよ。
“正しい”じゃなくて、その意見に“賛成”か“反対”かしかないんだ。
今、辛いのはもちろんお前だけじゃないけど、まずは自分を大切にしなきゃ。
間違いなんて、ないから。
誰も間違ってなんか、いないから。
大丈夫。
いつかきっと幸せになれるから。」
私はなにも言えずに俯く事しか出来なかった。
いつの間にか、あなたは成長していて、考え方も変わってた。
変わってないのは、私だけだ。
「大人に‥なったね。」
「大人になんかなってないよ。
考え方が変わっただけで。」
「置いていかないでよ‥」
涙が溢れて。
自分が情けなくて。
母親になっても、あなたに甘えて、頼って。
でも、涙が溢れた本当の理由は別にある。
私はそれに気付きたくなかった。