同級生
歩いてきた足跡
「…何言ってんだよ、僕ら…」
「違います、私たちは偶然会っただけなんです。…失礼します」
「みやび…!」
「あたたたた…」
帰る彼女を追おうとしたけど、後ろで母が呻いている。
…足が痛いようだ。
「…大丈夫かよ?」
「大丈夫じゃない!散々迷って歩き疲れちゃったのよー」
そうこうしているうちに彼女の姿はもう見えなかった。
…とりあえず母をアパートへ連れて帰った。
「あら、きれいにしてるじゃない」
「まぁね…」
「俊平!今夜何食べたい!?久しぶりに母さんあんたに腕ふるうわよ!」
「なんでもいいよ」
「え~?何か言いなさいよー」
僕はずっと彼女のことが気になって、何どころじゃなかった。
すごく傷ついたあとだし…
どうしてあんな嘘を……?
ープルルルル…
『留守番サービスセ……』
電話も何回もかけたけれど…つながらない。
「さっきからどこにかけてんの?」
「みやび。僕ら本当に付き合ってんだよ」
「…でもみやびさんは違うって言ってたじゃない。あんた何か勘違いしてんじゃないの?」