同級生
「そんなことないよ!この間だって…」
「え?」
「いや…、とにかく本当なんだ。彼女…ちょっと色々あって傷ついてんだ。…ちょっと行ってきていいかな?」
「…行ってらっしゃい」
「ただいま…」
「あらもう帰ってきたの!今日は帰ってこないのかと思った」
「何言ってんだよ…」
彼女はアパートにはいなかった。
考えてみたら…今日はバイトの時間だ。
深夜、電話はつながった。
ひどく落ち込んでるかもと思っていたら…元気な声だった。
『でね、笑いすぎてもれそうになっちゃったよ!ははっ』
「はは、そう。…それよりなんで母さんに付き合ってないなんて言ったの?」
『いやぁ、なんか緊張しちゃって!恐れ多くもこんな私が俊平と付き合ってるなんて…ついああ言っちゃったの!』
「なんで、堂々としてたらいいのに。それに『こんな私』って言うなっつうだろ!」
『ごめんなさーい』
「今度はちゃんと付き合ってるって言ってくれるよな?」
『うんっ!』
とても弾んだ声で返事してくれた。
「よかった…」