同級生
「すんごいかっこ悪いんだぜ」
「1回くらい着てあげたら?せっかく俊平のこと思って買ってきてくれたんだから」
「うーん…」
「とにかく、帰った方がいいよ。心配してるかもよ」
「…じゃ今からどっか行かね?」
「だめだよー、明日仕事でしょ」
「厳しいなぁ…」
「だって私と付き合ってることで俊平がだめになっちゃったらやだ…」
「え…?」
「ごめん、なんでもない!…また今度遊ぼうよ!今日は帰んなきゃだめ!」
「……わかったよ」
彼女の部屋を出たものの…
足取りは重かった。
少しひとりで街をさまよい歩いた。
どこかに泊まろうかとも思った。
でも…彼女の言葉を思い出し、裏切ってしまうようで…
気も足も重かったけど…
帰ることにした。
でも母の顔はまともに見れないだろう。
どんな顔して帰ろうか…
彼女は…
僕が飛び出してきたわけをわかっていたのだろうか…?
ぽろっと漏らしたあの言葉が重要な意味を持つなんて…
この時の僕は気づかなかった。