同級生
『「自宅」と出たので持ち主様だと思い、出させていただきました』
「すみません…。すぐ取りに行きます」
なんてうっかりしていたんだ…。
拾ってくれたのが店の人でよかった。
「りん、おじんちょっと寄ってから行っていい?」
「うん」
「よし、行こう」
りんを連れて、昨日同窓会があったかかしへ急いだ。
「はい、こちらですよね?」
「はい。ありがとうございました」
ケータイは無事、僕のところへ戻った。
「おじんドジー」
「うっせぇ」
「ドジドジー」
店を出ようとした時だった。
りんがこけた。
「はは、おまえもドジじゃんか!」
「うううっ…」
「大丈夫?」
その時店に入ってきた女性がりんを起こしてくれた。
「すみません。りん、お礼……」
…僕はまだ酔いから醒めていなかったのだろうか。
その女性が…
また彼女に見えた。
「怪我はないみたいだね。よかった!」