同級生
ひと月経って、僕はまた彼女が働くパチンコ店へ行ってみた。

この日は休みだったのか…彼女に会うことはできなかった。

次の週末も行ってみた。
また休みだったのか…見回したけど、彼女はいなかった。

タイミングが…悪いみたいだ。

タイミングのせいにした僕は、間をみて毎日パチンコ店へ通うようになった。

とくに遊びはしない、ただ店内をうろちょろ…

何をしてるんだ…と自分で思った。
もう金も返したし、別に用もなかったけれど…
毎日通った。

だけど…彼女に会うことはなかった。



「あの、こちらで働いてる福澤みやびさんは…あの、僕は同級生なんですけど」

「同級生?福澤さんなら先月辞めたよ」

「えっ!?」


先月って…僕と会った頃…か?

…これじゃキャバクラの時と同じだ。






ぼんやりと歩いていると…僕は見てしまった。

…彼女だ。

それはうちの近所でのことだった。
彼女はうちの隣の前の、斜め前のアパートに入って行った。

…ここに住んでいるようだ。

こんなにも近くにいたなんて…驚いた。

けど…彼女は確か、僕のうちとは逆方向だと言っていた。


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