同級生
潜んでいた過去
仕事の件にしろ…
もしかして彼女は…僕を避けている?
近所で彼女を見かけたその時は…声をかけられなかった。
声をかけたらまたいなくなるような気がしたから…
「同窓会?」
「今度は関東周辺にいるやつらが集まるみたいだぞ。おまえ行く?今度の日曜」
「ずいぶん急だな…。森は行けんのか?」
「俺は無理。仕事だから」
「だよな…」
なんだかめんどくさかった。
けれど、断る理由もなかった…。
「あ…」
「ん?」
ふと彼女のことを思い出した。
「福澤さんには連絡いったかな?」
「いってねぇだろ、みんな知らねえし」
「声かけてみようかな」
「え、やめとけよ!」
「なんで、彼女だって同級生じゃないか」
「そうだけど…お呼びでない雰囲気だったら彼女かわいそうだぞ」
「そんなことにはならないよ。彼女変わったんだから」
森の言葉に反発心が芽生えた。
今の彼女なら大丈夫だと僕は思った。
会えばいなくなるかもという不安は…この時忘れていた。