同級生
すき
数日後、僕は彼女の部屋を訪れた。
彼女はもう、どこか遠くへ行ってしまったかもしれないと気になりながら…
「…よかった。居て」
「何か…用?」
彼女は困った表情を浮かべている。
…僕の顔も見てくれない。
「あ…っと、今日時間空いてる?」
「…仕事」
「そう…か。料亭だったっけ」
「辞めた。ちがうとこ」
「そっか…」
「もう今出るとこだったんだ。どいて」
「ああ、ごめん…」
別に用なんてなかった。
ただ…
彼女に会いたかった。
「…ついてこないでよ」
「え…、いや、僕もこっちに用があって…」
僕は無意識に彼女のあとをついて歩いていた。
…これじゃまるでストーカーだな。
「じゃ、僕はこっちだから…。仕事頑張ってな」
「…………」
彼女は元気がなかった。
「………」
わざと道を別れたものの、僕はなんだか胸騒ぎがして、彼女が歩く方へ戻った。
彼女に気づかれないように…ついていった。
本当にストーカーみたいだな…。