同級生
「あっ、おかえり…」
しばらくして、彼女は帰ってきた。
見知らぬ男と一緒に…
「…どうしたの?」
「え…あ、こ、これをおすそわけしようと思って!田舎から大量にもらってさぁ、もう困っちゃって。もらってくれたら助かるなー、なんて…」
僕は動揺してしまった。
「そうなんだ。ありがとう。もらう」
「じゃぼくは…」
男は帰ろうととしたが、彼女は男の腕をがっしり掴み、引き止めた。
「ああ、あがってってよ。スイカが冷えてるよ!よかったら高原くんも。ね、ね!」
どういうつもりなのかわからなかったけれど、僕も男も彼女に言われるがままあがり、キンキンに冷えたスイカをいただいた。
彼女は男に僕を紹介した。
「こちら同級生の高原俊平くん。近くに住んでるって最近知ってびっくりしたねー!」
彼女は笑っている。
何事もなかったように…彼女は笑っている。
「…で、そちらさんは?」
僕は恐る恐る聞いた。
「ぼくは…」