同級生
「彼氏なの!彼氏の…吉田啓太くん。ねっ!」
彼女は男にベッタリくっついて、そう紹介した。
「……あ、なんだそうなのか!じゃあ…邪魔しちゃ悪いから僕は帰るよ!」
「え、別にいいよ」
「いや…。スイカ…おいしかった。ありがとうな!」
「ううん、こっちこそありがとう。ピーマン…」
僕は逃げるようにして帰った。
…かっこ悪いな。
これが…答えか。
僕の目の前は真っ暗になった。
どうやって帰ったのかもよく覚えていない。
午後は…
僕はひとり家でぼんやりしつつ、なんだか…落ち着かない時間を過ごした。
「ただいま!」
悠二は夜遅く帰ってきた。
「ずいぶん遊んだな。夕方までには帰るっつっただろ」
「まぁそんなやぼなこと言うなよ。いやぁ、都会は楽しいね!いいなアニキは」
「僕は遊びに来てるわけじゃない。そんなに来たきゃおまえもこっちに進学なり就職なりすればいいじゃないか」
「そうしたいんだけどさー、若者がいなくなったらうちどうなんのよ?じーちゃんもばーちゃんもよぼよぼだし、とーちゃんやかーちゃんだってもう若くない」