同級生
「じいちゃん、足大丈夫なのか?」
「今日は調子がいいから…ほれ、ほれ」
祖父はふざけて足踏みをして見せた。
「ははは、やめろよ。くじいたら散歩行けなくなるよ」
「そうじゃな。じゃあ行こうか」
しばし祖父と散歩を楽しんだ。
懐かしい通学路だ。
のどかで気持ちがいいな…。
僕ももう…
帰って来ちゃおうかな…
「高原さん!調子は良いのかい?」
「ああ、絶好調さ!なんせ東京から孫が帰って来たんだ。くたばっちゃおれん」
「お孫さんかい?東京からぁ」
祖父は近所の友達と話が弾んだ。
いつの間にか僕は浮いていた。
「じいちゃん、懐かしいからちょっと学校まで歩いてきていい?」
「ああ行ってきなさい。じいちゃんは山口さんともうちょい喋って先に帰っとるよ。気をつけてな」
「うん、じいちゃんもな」
祖父と別れ、学校へ向かった。
なんだか急に行きたくなった。
学校はまだ夏休み中。帰り際の部活の生徒と何人かの教職員はいる。
「こんにちはー」