同級生
必死で…探してくれた。
「…もういいって言えよ!後藤先生かわいそうじゃねぇか!」
倉田が僕に、そっと言った。
でも僕は聞く耳を持たず、メモがみつかるのをただ祈っていた。
「んー……これか…な?あったぞ!」
後藤先生は僕にそのメモを渡してくれた。
…机の奥に押しつぶされ、ぐちゃぐちゃになっていた。
「ありがとうございます!…ご両親きっと心配してると思うのでちょっと行ってきます!」
「お、おい…」
僕は学校を飛び出、メモを頼りに彼女の実家へ向かった。
「…どうしたんすか?あいつ」
「さぁ…」
彼女の実家の住所は、元の住所からそう遠くなかった。
でも、詳しくはわからず、周辺で道行く人に尋ねた。
「福澤さん?ああ、娘さんが行方不明のお宅ね。はいはい、あの筋を左に曲がってね、で………」
“娘さんが行方不明”
が目印になってしまった…。
彼女のことは噂になってるようだ。