同級生
「あらぁ、忙しいわね。気をつけてね」
「はい。色々ありがとうございました」
「ううん、こちらこそよ。みやびのことが知れてよかった。これで親戚にも堂々と顔向けできる!…ましてや俊平くんが知らせに来てくれるなんて夢みたいよ!」
来たときはどうなるかと思ったけど…
母親は満面の笑みで見送ってくれた。
「わんっわんっ」
「おぅ、またな!」
犬もしっぽを大きくふって、見送ってくれた。
「俊平くん!」
「はい?」
「みやびに…いつでも帰ってきていいんだからねって伝えてもらえる?」
「…はい!」
空港に着いた途端、家から電話がかかってきた。
『遅いわね、どこほっつき歩いてんの?』
「あ、ごめん。連絡するの忘れてた。今空港着いたとこ。もう東京帰るから」
『はぁ!?しばらくいるんじゃなかったの!?あんた…朝いきなり帰って来て夕方散歩に出たらもう空港ってどういうことよ!?』
「あ、じいちゃんちゃんと帰り着いた?」
『帰っ…てきたわよ。そうじゃなくて…』
「あ、もう乗らなきゃ。じゃあな!」
『ちょっ……』