同級生
彼女のあわてたような声が聞こえ、振り向いた。
「えっと…じゃ、これと…これ返します」
どうやら予算がオーバーしたようだ。
僕は戻って、横から500円差し出した。
「あっいいよ!」
彼女は受け取ろうとせず、カゴの品物を戻そうとした。
「いいよ。ほら、後ろ並んでるし」
僕は構わず出した。
「よろしいですか?」
「はい、よろしいです。じゃあな」
僕は店を出た。
「高原くん!」
会計を終えた彼女が走ってきた。
「ごめんね、すぐ返すから!」
「いいよ500円くらい」
「くらいってことはないでしょ。帰ったらすぐ返し行くから!」
彼女はせかせかと走り出したけれど…
「待って、袋破けて中身落ちてる!」
「えっ!?あああ、どうりでなんか軽くなってくなぁと思った…もう、ツイてないなぁ!」
僕も拾うのを手伝った。
「もしかして、照り焼きとか?」
「…そうだよ!」
「いいな、僕も食べたい」
「…彼女に作ってもらいなよ」
「いないもん。…福澤さんは彼氏に作ってあげるの?」