同級生
「え、言ってないよ」
「言った!」
彼女の中で、何か吹っ切れたのかな。
「あ、そうだ」
彼女はバッグをごそごそあさり、小さな紙袋を僕に差し出した。
「?」
「…いつか川に投げちゃったじゃん。せっかく大事に持っててくれたのに私ひどいことしたかもってずっと胸が痛くて…。これは今の私からです」
キーホルダー…
「ありがとう…嬉しいよ!」
「そ、そんな大層なもんじゃないよ!高原くん誕生日も近いしちょうどいいや!なんて…あ、ついでっぽく言ってごめん…」
「ううん、すごい嬉しい。誕生日まで覚えててくれたんだ」
「あはははは…早く食べないとアイスとけちゃうよ!」
彼女はおもいっきり照れていた。
僕も…
本当に嬉しかった。
「ごちそうさん。こんな遅くに来て悪かったな」
「ううん。もう安心していいよ。よからぬことは考えたりしないから!」
「ああ…絶対だぞ。じゃあまた」
帰ろうと玄関のドアを閉めようとする時いきなり彼女が顔を出した。