同級生

「僕が!?そんなこと思ってないぞ!そんな風に思ってたのか?」



なんか誤解されたみたいで腹が立ち、怒り口調になった。




…でもわかってた。




誤解というよりそれは彼女の切実な悩みというか…



彼女は小さい頃からずっと自分の存在を否定し、今みたいに隠れながら過ごしていたって…




まだその間違った癖が抜けてないのか。




「堀田さんにもう言ったよ」

「言ったのぉ!?」

「言うよ!僕は世界中に言えるよ。みなさーん、僕は福澤さんとー」

「わかったから!もう…」



冗談なんかじゃない。



「福澤さんは僕の彼女だって、堂々としてればいい。隠れたりすんな」

「うん…。ごめん」






この頃からだったんだろうか…






「…たこ焼き食お。冷めちゃったけど」

「うん。…これたこ焼き?」

「…たこ焼きのソース漬け。新メニューだって」

「へぇ…」



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