追憶のエデン
――ビリッ!!
両腕を頭の上に一つに縫い止められれば、渉さんのもう片方の手によって、襟からお腹の位置まで服を裂かれて、下着が露わになれば、何も映してない真っ暗な瞳で、歪んだ笑みを向ける渉さんがいた。
目が合うと、更に歪んだ笑みは濃くなり覆いかぶさられれば、首元に噛み付くように皮膚を鬱血させる痛みが走る。そしてじっとりと舌を這わせ、幾つもの紅い華を首に咲かせれば、上がる息はそのままに呼吸と水音ごと耳直接響かせていく。舌全体で外耳を弄り、舐め上げ、舌を固くすれば、内耳までも犯していく。
「はぁ…ぅん…ぁぁ…ッ」
「耳、弱かったもんね…可愛い…」
添えられていただけの彼の手が腰を怪しく撫で上げ、ゆっくりと下から持ち上げる様に胸を愛撫され、時折掠められる胸の飾りが中途半端に熱を帯びる。
気を紛らわそうと首を振って熱を逃すが、それを彼が許すわけもなく、飾りを抓まれると同時に腕の拘束が解け、その代り顎を掴まれ、唇を重ねられた。
必死に抵抗しようと渉さんの肩を押し返すが、女の力など敵うわけもなくびくとも動かない。それどころか渉さんの手は抓まんだ飾りを弧ね、時々爪で引っ掻かきながらも、深く重ねた口腔内では舌を吸い、音を立てながら喉の奥へと舌を差し込んでは絡ませていった。
「ふぅん…んぁ…ぅんん…」
あまりの苦しさと、熱の吐き出し口を奪われ、どんどん渉さんのペースで身体の熱を上げられる。
ただ身体の熱を上げられれば上げられるほど、罪悪感も膨らんでくる。
(ルキフェル……)
何故こんなにもルキフェルの顔が思い浮かぶのかなんて今、気付きたくない。
何故こんなにも罪悪感が膨らんでいくかなんて、今気付きたくない。
「――はぁ…んぐッ……ハッ!何こんな時に他の事考えてんの?むかつくなぁ、ホントに。
未羽?俺にだけに集中しな。」
「――あぁッ!」
「ほら、もっと鳴いて?俺にまた鳴き声を聞かせてよ。」
下半身に這わされた手はそのまま、身体のもっとも敏感な部分を指で円を描くようにじっとりと撫で、かりかりと爪の先で愛撫されれば、身体が大きく跳ね、快感を敏感に感じ取っていく。