追憶のエデン
それからあたし達は車を置いて、街の中を観て回る事にした。


カラフルな雑貨屋さん

大きなシャンデリアが置かれた、可愛くてセンスの良いブティック

綺麗なステンドガラスの本屋さん

深い青色や紫色の薔薇まで売られているお花屋さん

甘い香りに誘われれば、可愛らしくて宝石の様なチョコレートが綺麗にショーケースに並べられたショコラティエ


全てが完璧で洗練され、街全体がキラキラしていて、ついわくわくして、はしゃいでしまう。
そして隣にいるルキフェルもすごく無邪気に笑ったり、一緒に驚いたり、感動したりと楽しんでいるようだった。


「魔界っていうからもっとおどろおどろしいのかって思ってたけど、すっごく楽しくて素敵なところだね!」


いつの間にか繋ぎ続けていた手がグイッと引かれれば、嬉しそうなルキフェルの笑顔があった。
そしてありがとうという言葉と共にチュッとおでこに軽いキスが落とされる。



「ねぇ、最後にアレ、乗っていかない?」


そう言ってルキフェルの指差す方に目を向ければ、夜闇の中、カラフルにライトアップされた観覧車があった。
< 22 / 114 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop