追憶のエデン
Episode1
「未羽(みはね)?」
「えっ!?」
「どうしたの?何度も呼んだんだけど、心此処に在らずっていうか。ボーっとしてた。
やっぱ体調悪かった?
最近、学校のレポートとバイトで忙しいって言ってたから……。
お互いここんとこ忙しかったし、俺自身未羽不足だったから、今日は会えてすごく嬉しいけど、そういう時はちゃんと言って?
俺は未羽の事が一番大切なんだからさっ。なっ?」
――あの夢から数日が経っていた。
何事もなく変わらない日常を繰り返し、学生の身であるあたしは悪夢の様な、大量に出されたレポートと、そして生活費を少しでも多く稼ぐ為にと入れたバイトのシフトをただひたすら、目まぐるしくこなしていた。
でもそれも漸く落ち着き、メールや電話では毎日の様に連絡を取り合っていた最愛の彼氏との久しぶりのデート。
いつもなら緊張とドキドキでいっぱいの幸せな時間の筈なのに今日は完全に気が抜けていた。
それに気付いてしまうと、これがきっかけで嫌われたらどうしようとか考えてしまい、一瞬血の気が引いた気がし、かと思えば、ボケっとした顔を見せてしまった事が恥ずかしくてあたふたしてしまった。
「ごめんねっ!心配掛けちゃって……。でも体調が悪いとかそんなんじゃ全然ないから!
ただ、渉(あゆむ)さんのそばにいると落ち着くっていうか……。そうっ!安心感!だからちょっと気が抜けちゃった。
それに、会いたかったのはあたしも同じだから……。えへへっ」
それでもなんとかそう渉に微笑み掛け、何でもない事を伝えると、渉は少し照れた顔を隠すかの様に口元を手で隠していた。
そんな彼を見ていつも思う。
普段の彼は頼れるお兄さんって感じの自慢の恋人なんだけど、こういった仕草を見ると素の彼が見れた気がして、可愛いなって思うと同時に、愛しさが込み上げてくる。あたしの大好きな仕草の一つだ。
だから嬉しくて、思わず唇がまた弧を描いた。
「あー、もうっ!何笑ってんの?恥ずかしいんだからこっち見るの今は禁止っ!」
気恥しさに拍車が掛かかってしまったのか、少し拗ねた声色でそう言うと、未羽から渉は顔を背けてしまった。
「えっ!?」
「どうしたの?何度も呼んだんだけど、心此処に在らずっていうか。ボーっとしてた。
やっぱ体調悪かった?
最近、学校のレポートとバイトで忙しいって言ってたから……。
お互いここんとこ忙しかったし、俺自身未羽不足だったから、今日は会えてすごく嬉しいけど、そういう時はちゃんと言って?
俺は未羽の事が一番大切なんだからさっ。なっ?」
――あの夢から数日が経っていた。
何事もなく変わらない日常を繰り返し、学生の身であるあたしは悪夢の様な、大量に出されたレポートと、そして生活費を少しでも多く稼ぐ為にと入れたバイトのシフトをただひたすら、目まぐるしくこなしていた。
でもそれも漸く落ち着き、メールや電話では毎日の様に連絡を取り合っていた最愛の彼氏との久しぶりのデート。
いつもなら緊張とドキドキでいっぱいの幸せな時間の筈なのに今日は完全に気が抜けていた。
それに気付いてしまうと、これがきっかけで嫌われたらどうしようとか考えてしまい、一瞬血の気が引いた気がし、かと思えば、ボケっとした顔を見せてしまった事が恥ずかしくてあたふたしてしまった。
「ごめんねっ!心配掛けちゃって……。でも体調が悪いとかそんなんじゃ全然ないから!
ただ、渉(あゆむ)さんのそばにいると落ち着くっていうか……。そうっ!安心感!だからちょっと気が抜けちゃった。
それに、会いたかったのはあたしも同じだから……。えへへっ」
それでもなんとかそう渉に微笑み掛け、何でもない事を伝えると、渉は少し照れた顔を隠すかの様に口元を手で隠していた。
そんな彼を見ていつも思う。
普段の彼は頼れるお兄さんって感じの自慢の恋人なんだけど、こういった仕草を見ると素の彼が見れた気がして、可愛いなって思うと同時に、愛しさが込み上げてくる。あたしの大好きな仕草の一つだ。
だから嬉しくて、思わず唇がまた弧を描いた。
「あー、もうっ!何笑ってんの?恥ずかしいんだからこっち見るの今は禁止っ!」
気恥しさに拍車が掛かかってしまったのか、少し拗ねた声色でそう言うと、未羽から渉は顔を背けてしまった。