追憶のエデン

――あらぁ？貴女は確か、先ほどの


――大丈夫？君もぉ、すっごく派手に転んじゃったから、どっか痛いとこなぁい？


――わたくしの名前はアリシアですわ。
お父様がこちらでお仕事があると聞いて、無理を言って御一緒させて貰ったんですの。


――君が何処にも行けないなら、俺が君を何処かへ連れてってあげるよ。


――もし困った事がありましたら、わたくしにも話して下さいませ？わたくしに出来る事でしたら、微力かもしれませんが力をお貸ししますわ。


――また泣きたくなったら、俺がまたこうして行き場所を決めて連れ出してあげるね。
うんん、いつでもまたぁ、こうして連れ出してあげる。
……ほら、約束。なっ？


――未羽はもう俺の友達だから、そこんとこ絶対忘れないでよねっ！



「嘘吐き。」



――俺は、あの人が望むなら何だってするよ。そう…それがどんなに俺にとって辛い事だとしても……


――貴女さえいなければ……貴方さえ存在しなければ、偽りの中でもわたくしは幸せだった！


――…姉様を苦しませないでよ……。あんたがこの世界に現れてから、姉様は前よりもっと泣くんだ……。


――ずっと…ずっと……彼だけを……愛してるの……。



「グレン…アリシアさん……。」



――姉様っ！！ぐわぁぁあああぁあッ！！！


――愛してます！愛してますわ…ルキフェル様。
この命、貴方に奪って貰えるというのなら、喜んで死を受け入れますわ！！




――未羽、ご　め　ん　ね――。



「いやぁぁああぁっ！！
ヤダよ！嫌っ！友達って言ったじゃない！？なんで死んじゃったの？
こんな結末、貴方達だって望んでなかった筈じゃないの？
…何で？…何でなの！？
アリシアさんッ！！グレンッ！！ねぇ、答えてよ！！」


二人はただお互い、愛されたかっただけじゃないの？
あたしがこの世界に現れなかったら、二人の幸せは続いていたの？


「…ごめんなさいッ……ごめ…っ…んぁ…」


涙は枯渇する事なく溢れ、壊れた様に声を上げて泣く。