【短編】素敵なプレゼント!
*素敵なプレゼント!
「何でどこにもいないのよ…!」
もうアイツを探して何時間になるだろうか。
家を飛び出したときはお昼前だったというのにもう陽が落ちそうだ。
家を飛び出してすぐ隣の亮の家を訪ねたが、アイツはいなかった。
それから亮が行そうなところを絞って探してみたが見つからない。
「……ううっ、寒っ」
てっきり家にいるもんだと思ってたからコートを一枚羽織るだけでマフラーも手袋も忘れてしまった。
隣の家ということでカバンも財布も携帯も持って来ていない。
ど、どうしよ……一度家に帰ろうかな…
もしかしたら亮も家に帰っているかもしれないし……
でも、このままじゃ帰れない気がして。
帰ってしまったらもうこの日には会えない気がして。
あたしはまだ思い当たる場所をいくつか思い出していた。