【短編】素敵なプレゼント!
「奈々(ナナ)〜あんたまだ起きてるんでしょ。早く寝なさい!」
階段を登る音がしてガチャリと部屋が開いた。
「なっ、何よこれ…」
部屋に入ってくるなりお母さんは絶句。
「あああ!もう!勝手に入って来ないでよっ!」
あたしは部屋の中心に置いてあるテーブルを隠すように立つ。
「このケーキいつ作ったの?このトマトみたいなデコレーションは何?」
「サンタさんだよバカっ!」
サンタさんが来たら食べてもらおうとケーキを作ったのだ。
ちょっと…見た目悪いけど
「全く仕方ない子ねぇ、わざわざサンタさんがここに来るわけないでしょ?もう高校生にもなって〜。で、何お願いしたの?」
「い、言うわけないでしょっ!もう早く出ていって!」
なんだかんだ言って気になっているらしいお母さんを部屋からなんとか追い出した。