オヤスミナサイ~愛と死を見つめて~
隣で、想太が慌てている。

「1年前……?」
 
私のこころは、ざわざわしだす。

「1年前って……私と……」
 
動揺して、うまく言葉にならなかった。

「そう、梨聖と想太くんがつきあってた時期に、私ともつきあってたの」

「さやか、何もそこまで……」
 
制止しようと、想太が口を挟む。

「ん~ん。ちゃんとこういうことははっきりさせないと。私、梨聖に黙ってつきあってるなんて、ずっとこころ苦しかったんだから」
 
二股、かけられていた……?
 
ラブラブな時期の半年も過ぎた頃、段々と想太からの連絡は減っていた。
 
デートもほんとにごくわずかしか、してなかったし。
 
電話もメールも少なかった。
 
その頃に、想太はさやかとつきあい始めていたのか。
 
想太はさやかに夢中で、私の方がおざなりになってたってことか。
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