オヤスミナサイ~愛と死を見つめて~
夢くんがソファに座り、私は彼に手をひかれ、同じように座った。

「……辛いね」
 
夢くんは備え付けのティッシュをとり、私の頬、目頭を拭ってくれた。
 
それだけで私の涙は止まらず、またあたらしいティッシュを渡してくれる。
 
私は目頭を交互に拭きつつ、声を漏らした。

「ごめん、ね。想太のことで、泣くなんて」

「いいさ」

「誤解、しないでね。あたらしい、彼女、が、ひっく……できたのがショックなんじゃなくて、二股かけられていたのが、ショックだったの」

「うん、解るよ」

「私には、夢くんが、いるし。想太のことを、何とも思わなくなったのは、事実なんだけど、ひっく」

「うん、うん」

「どうして、さやかなの? 私たち、ずっと仲良くやってきたのに。ずっと黙っていたなんて……」

「そうだね。本当の友だちなら、言うべきだよね」
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