オヤスミナサイ~愛と死を見つめて~
「食べた?」

「うん。すっごく美味しかった。ご馳走様」

「じゃあ、食器洗うね」
 
夢くんはテーブルの上の食器を重ねた。

「ああ、私やるよ」

「いいの。今日は梨聖ちゃんの特別な日なんだから、座ってテレビでも見てて」

「じゃあ、一緒に洗おう」
 
私が立ち上がると、夢くんは“座ってていいのに”とまた繰り返した。
 
一緒の台所に立ちたかった。

「じゃあ、俺が洗うから、拭いてくれる?」

「うん。任せて」
 
私たちは肩を並べてキッチンに立った。

夢くんが丁寧にお皿を洗う。
 
水を出しっぱなしにするんじゃなく、きちんと蛇口は閉めて洗っている。

「やっぱり夢くんはA型だね」

「そう?」
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