オヤスミナサイ~愛と死を見つめて~
「空港。でっかいヒコーキ見ながらランチしよ」

「素敵」

ちょっとしたデートみたいだ。胸が高鳴る。

「渡海さんは、大学生ですか?」

「うん。実は梨聖ちゃんと同じ大学だよ」

「えっ、私のこと知ってたんですか」

「うん。初めからね。大学祭前後であんだけ目立つハッピ着てあっちゃこっちゃでうるさくしてれば、目立つよ」

そう。私は先日行われた大学祭の実行委員をやっていた。

学祭前は、ほとんど講義には出ずに、一日中テント張る指示したり、横断幕ペイントしたり、あちこちかけ回っていたからなぁ。

「じゃあ、キャンパス内で何度か渡海さんとすれ違ってるんですね、私」

「うん。さっき海で君を見た時、思い出したんだ。友達と来てたの?」

「はい。何だか天気がよくて、こりゃ海に行こうと誰かが言い出して。レンタカー借りてきたんです」

「妙に元気良かったもんね、みんな」
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