オヤスミナサイ~愛と死を見つめて~
その頃から、想太とさやかのつきあいがあったのだろう。

去年、彼氏に祝ってもらえなかった分、今年は夢くんという素敵な彼氏とドライブデートだ。
 
ほんと、人生って何が起こるかわからない。
 
まさか、想太とさやかがつきあってただなんて。
 
まさか、去年までは知らないひとだった、夢くんという彼氏ができるだなんて。
 
巡り合わせ。これも、日頃の行いがいいからなのか。

「どこの海に行くの?」

「梨聖ちゃんと出会った海岸」

「素敵ね。私たちの出会いの場だもんね」

「そうだね。俺はずっと、きみのこと見てきたけど」

「大学祭の頃からでしょう。ずっとじゃないじゃん。ほんの数週間だよ」

「そっか。でも、随分と昔からきみに焦がれていた感じだな」

「また口が上手い……」

「本当にそう思うんだもん」

「きっと、夢くんは真っ直ぐ育てられてきたのね。どんなご両親なの?」
< 221 / 350 >

この作品をシェア

pagetop