オヤスミナサイ~愛と死を見つめて~
色白の夢くんは、耳もピンク色に透けている。
 
かっこいいな、相変わらず。

「……何見てるの」
 
困ったように夢くんは笑う。

「いや……なんとなく」
 
私は前に向き直る。
 
人生ゲームのコマのように、私たちは一緒の車に乗って、一緒に生きていきたい。
 
つきあい始めだから、盛り上がってるのかな、私。
 
だけど、夢くんといるとほんと、楽しいし、幸せを感じる。
 
大学を卒業したら、夢くんのところへ永久就職したいな、なんて思った。

「ね、夢くんは将来、どんな職業に就きたいの?」

「職業か……何にも考えてない」

「お父さんのような職業?」

「あんまり先のことは考えてないな。梨聖ちゃんは、何になりたいの?」
 
夢くんのところへ、永久就職……なんて言えやしなかった。

「私も、考えてない。ただオフィスワークよりも、接客業がいいかな」
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