オヤスミナサイ~愛と死を見つめて~
居酒屋で 彼と
『もしもし、俺、リョウ』
ある日、見覚えのない番号から電話の着信があった。
おそるおそる出てみると、リョウと名乗る男のひとからだった。
低くて、落ち着いた声。
聞き覚えがなかった。
「リョウさん……って、誰でしたっけ?」
間違い電話かもしれない。私にリョウという知り合いはいなかった。
そもそも、男友だちなんていうのも少ないし。
携帯のメモリーに入っている男の子の番号も、高校時代の友人を含めて10人もいなかった。
『この間、合コンで』
その朴訥とした喋り方で思い出した。
無理矢理、鈴に連れて行かれた飲み会で、私の前に座っていた、ハンサムなんだけど寡黙な男の子。
涼くんだった。
「どうして、私の番号を知ってるの?」
『片岡さんから聞いた』
ある日、見覚えのない番号から電話の着信があった。
おそるおそる出てみると、リョウと名乗る男のひとからだった。
低くて、落ち着いた声。
聞き覚えがなかった。
「リョウさん……って、誰でしたっけ?」
間違い電話かもしれない。私にリョウという知り合いはいなかった。
そもそも、男友だちなんていうのも少ないし。
携帯のメモリーに入っている男の子の番号も、高校時代の友人を含めて10人もいなかった。
『この間、合コンで』
その朴訥とした喋り方で思い出した。
無理矢理、鈴に連れて行かれた飲み会で、私の前に座っていた、ハンサムなんだけど寡黙な男の子。
涼くんだった。
「どうして、私の番号を知ってるの?」
『片岡さんから聞いた』