オヤスミナサイ~愛と死を見つめて~
「鈴、トモヤくんとあれから別れたんだって?」

帆乃香がビーフジャーキーの袋をばりっと開けた。

「そうなの。だから彼氏持ちは梨聖だけ。羨ましい~」

鈴はのけぞって言う。

――さやかにも、彼氏がいるけどね。

想太という彼氏が。

私の元彼で、ずっと二股をかけていた。

だけど、そのことは、黙っておくことにした。

その刹那。

「私もいるよ、彼氏」

ずっと黙っていたさやかが口を開いた。

帆乃香と鈴は、目を見開いた。

「うっそ」

「あんた、恋愛めんどくさいみたいなこと言ってたじゃない」

鈴と帆乃香が畳み掛ける。

「うん。めんどくさいよ。だけど、今はそうは思わないかな。真っ当な恋愛してるから」
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