オヤスミナサイ~愛と死を見つめて~
「うん。怖いね。梨聖ちゃんと同じ考えでさ、何で鉄の塊が……ってね」

彼は人差し指をこめかみにあてて言った。

「乗ったことあるんですか?」

「うん。3度ほど。空中も怖いよ。よく揺れるし。離着陸のGはまるでジェットコースターだし。俺はちょっと苦手だな」

「へぇー。乗ってみたいです、私、絶叫系好きなんです」

「絶叫系ね。女のコって、好きだよねぇ、そういうの。俺はどうも苦手」

と彼は苦笑して言った。

やがて、ウェイトレスが来て、渡海さんはあさりのパスタ、私はオムライス。そしてデザートにはそれぞれソフトクリームをオーダーした。

「飛行機から撮った写真のポストカード見たことあるんです。雲のじゅうたんみたいで素敵だったなー」

「ああ、うん。そうだね。雲の上の景色はキレイだね」

「いいなぁ。乗ってみたい」

私は飛行機から目を離せないでいた。

「どこに行きたい?」
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