オヤスミナサイ~愛と死を見つめて~
そして強く鈴に反発した。

「なんで? さやかだって、同じことしてたじゃない」

鈴も反発する。

「……梨聖には、同じ思いをさせたくないの」

はっきりと、さやかは言い放った。

「梨聖? 同じ思い?」

「どういうこと?」

鈴も帆乃香も、私とさやかの顔を見比べる。

「私の彼氏、想太くんなのよ」

鈴と帆乃香の目が丸くなる。

「想太って、梨聖の元彼の?」

「彼女がいるひととつきあってた……って、その彼女って、梨聖?」

「そうなの」

私は黙ってことのなりゆきを見ていた。

正直、何を言っていいのか解らなかった。

さやかが、総てを暴露するなんて思ってもみなかった。
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