オヤスミナサイ~愛と死を見つめて~
さっきは、想太はまだ私のことを思っている、と嘆いていたけれど。

鈴の前では、気丈に振舞っている。

「いいな~。私も彼氏欲しい」

「引く手数多じゃないの、鈴」

「ん~、夢大さんみたいなひとがいいな。大人で、優しくて、包容力のある……。私、そういうひととつきあったことないからな~。皆、ガキよ。年上ともつきあったことあるけれど、男は精神年齢低いのよね。その点、夢大さんなら……」

さやかの苦笑する声が聞こえた。

「渡海さんは、梨聖のものでしょう。壊したらだめよ」

「解った、解った」

ああ、鈴、諦めてくれるのか……私はほっとした。

正直、見目麗しい鈴に、夢くんがなびかないかと心配してた部分もある。

それに鈴は、積極的だし、経験豊富だし、夢くんの気持ちが傾いても仕方ないと思っていた。

だけど、夢くんは、私を選んでくれた。

――自信を、持とう。夢くんを、信じよう。
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