オヤスミナサイ~愛と死を見つめて~
そこで、チャイムが鳴った。

「あ、夢大さん、来たんじゃない?」

妙に明るい声で、鈴が言う。

「私、出てくるね」

そうして、玄関先に行ってしまったようだ。

すぐさま、夢くんは部屋の中に入ってきた。

「梨聖ちゃん、大丈夫?」

私はうっすらと目を開ける。

「うん。大丈夫」

「珍しく、飲みすぎた?」

「そうみたい」

「あ、こんばんは、どうも。連絡ありがとう」

夢くんは、さやかと鈴に挨拶をする。

こういう気配りが、大人だなあって思う。

「夢大さんも、一緒に飲みませんかぁ?」

鈴が夢くんを誘う。
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