オヤスミナサイ~愛と死を見つめて~
「え~、帰っちゃうの? 淋しい~」

鈴のその声は、私に対してなのか、夢くんに対してなのか……それはきっと、後者だろう。

「歩ける?」

夢くんは、私の手を引き、立たせ、肩を支えてくれた。

「ありがとう」

「ごめんね、皆。ちゃんと梨聖ちゃんを連れて帰るから」

「安心します」

と、さやか。

「え~。ほんとに帰っちゃうの?」

と、鈴。

帆乃香はぐうぐうと寝息を立てている。

「じゃ……」

そう言って、夢くんは私の身体を支えながら、部屋を出た。

外は真っ暗。だけど、お星様の灯りが明るかった。

「大丈夫? 吐き気とかない?」
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