オヤスミナサイ~愛と死を見つめて~
「うん。ちょっとふらふらするだけ」

夢くんは、いつでも優しい。

「ちょっと待って」

と、中から鈴が追いかけてきた。

「夢大さん」

夢くんに声をかける。鈴は、私に用事ではなくて、夢くんに用事があるみたいだ。

「何? どうしたの?」

「今度、お茶でもどうですか?」

「うん。皆と一緒なら」

「……そう言うと思った。私じゃダメですよね。梨聖の代わりには、なりませんよね」

「うん。ごめんね。俺には梨聖ちゃんだけだから」

「……よかったね、梨聖」

ちょっと残念そうに鈴は言う。

「梨聖って、悩みをひとりで抱える方なんです。さやかと想太くんの一件だって、何も私たちに漏らさなかったし……。梨聖を、守ってあげてくださいね」

「勿論」
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