オヤスミナサイ～愛と死を見つめて～

「もう少しで一番星が見られるね」

車のロックをして彼はまだら模様の空を見上げて言った。

「流れ星、見たことあります？」

私はダブルチーズのセット、渡海さんは、ポテトとコーヒーをオーダーし、席につくと私は彼にそう問うた。

「流れ星？　ないなぁ。梨聖ちゃんはあるの？」

コーヒーにお砂糖とミルクを入れて渡海さんは聞く。

私はチーズバーガーを包みから出しながら答えた。

「去年の夏かな。夜の海で、友達と見ましたよ」

「どうだった？」

「一瞬。もう一瞬。願い事３回もとなえるヒマなんてなかったですよ」

「ふーん」

「でも何か、神秘的でした。なんていうか――代々色んな人から賞賛されているような絵画から、一部がポロッ……とはがれる瞬間を見たというか……」

「それを彼氏と見て、もりあがっちゃったんだ？」

私はその言葉を受けて、渡海さんをやぶにらみ。

「誰も彼氏と一緒だったなんて言ってませんよ」