オヤスミナサイ~愛と死を見つめて~
餌でも探しているのか。
 
ぴぃぴぃと皆一様に鳴いていて、それが耳に心地よかった。

「何、話って」
 
想太が切り出した。
 
私は思いを伝えることにした。

「ね、私たちって、つきあってるの?」
 
前かがみに座っていた想太が、私を見る。

「つきあってるだろ。別れ話なんて、してないだろ」

「でも、ずっと会ってない」

「忙しいんだって。ごめん」

「忙しいのは解ってるけど……」
 
生活するのに一生懸命な想太。
 
そこに、私が存在する意味などあるのだろうか。

「まめな性格じゃないのは、解ってるだろ。ごめんって。淋しい思いさせたな」
 
私は首を横に振る。

「淋しくなんて、なかったわ」
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