オヤスミナサイ~愛と死を見つめて~
まだ寝ぼけ顔の鈴とは駅で待ち合わせて、3人になった。

目当てのパンケーキ屋は込んでいて、私たちが入店すると、空いた座席がなくなった。

「ラッキーだね」

と、帆乃香。

「日頃の行いがいいからね」

と言う鈴に、

「いやいや、あんたは日頃の行いが悪い」

と、私と帆乃香の声が重なった。

「全然学校来てないじゃん。単位大丈夫なの?」

メニューを開きながら帆乃香が言う。

「大丈夫。私、要領いいから。去年だって、単位ひとつも落としてないし」

人差し指を立てて鈴が言った。

鈴は愛嬌のある顔をしている。

男の子の友だちも多いみたいで、その愛嬌を駆使して、あちらこちらからテストの情報や過去問を持ってきてくれる。
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