オヤスミナサイ~愛と死を見つめて~
用意していた言葉を、これから告げると思うと。

「そう……」

「なに、別れたいの?」
 
彼の言葉が、ずん、とこころに響いた。

“別れよう”言われるのって、こういう感じなんだ……。

「だって、私たち、恋人同士じゃないみたいでしょ」

「どこが」

「連絡もとらないし、好きだ、とかもないし」

「じゃあ、毎日こまめに連絡とって、毎日好きだ好きだを連発してればいいのか」

「……そんなの、想太じゃない」

「だろ。そんなの、俺じゃない。それを承知でつきあってきたろ」
 
想太の瞳が、私を突き刺す。

「だけど、もう、私……」

「梨聖がそんなこという女だなんて、知らなかったよ」

「私ね、好きなひとができたの!」
 
声を振り絞るように私は言った。
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