オヤスミナサイ~愛と死を見つめて~
「ところで、何? 大事な話って」
 
いきなり夢くんが切り出してきた。

“私の元彼に会って欲しい”――なんて単刀直入に言ったら、夢くんは何て思うだろう。

「あ、私、お茶持って来るね」

「ああ、ありがとう」
 
私はちょっとドギマギしてきた。
 
これから数分後に、想太がここへやってくる。
 
好きなひとに、会わせるから、とメールをしておいた。
 
これで、ちゃんと収まりがつくかしら?
 
想太が夢くんに殴りかかったりでもしたら、どうしよう。
 
夢くんの前でまた、強引にキスなんてされたら、どうしよう。
 
結末が見えないでいた。
 
すんなり諦めてくれればいいんだけど……そうは行かないよね。
 
ショック……受けるだろうな、想太。
 
だけど、事実はきちんと伝えたい。
< 77 / 350 >

この作品をシェア

pagetop