好きになんか、なってやらない
【プライベートなんで】
一言、そう返信をしてラインの画面を閉じた。
次の返信がすぐ来たけど、ラインの画面は開かない。
そうすれば既読マークはつかないし、もう携帯を見てないんだろう、と諦めると思ったから。
鞄に携帯をしまうと、すぐにトイレを出た。
あまり陽平を待たせるわけにもいかないし……。
「ごめんね」
「全然」
陽平はさっきと同じように座っていて、戻ってきた私を見てニコリと微笑んだ。
「それ、飲んじゃったら?
ほかにも美味い酒いっぱいあるから、せっかくだしいろいろ頼もうぜ」
「うん、そうだね」
グラスには、半分くらいのカクテルが残っていて、言われるがままに残りのカクテルを飲み干した。
「他は何がおすすめなの?」
「そうだなぁ……」
綺麗な見た目に、確かな味。
カクテルで酔ったことのない私は、抵抗なしに勧められるがままに飲んでいて……
「大丈夫?」
「う、ん……」
30分後、急激な眠気と闘うことになるなんて
予想だにしてなかった。