好きになんか、なってやらない
 
「やべぇ……なんだよ、それ……反則」
「何が…ですか……」
「可愛すぎ」


耳元で聞こえる、いつもとは違う声。

ヒールを脱いだ私の体は、すっぽりと岬さんの体におさめられてしまう。


「玲奈」
「なんですか……」
「もっと俺に溺れて。俺を好きになって」
「だからっ……」




「俺もそれくらい、もう玲奈に溺れてるから」




まさかの言葉に、
言葉を失い、目を見開いた。



「………え…?」

「やっと同じ位置に立てたか……。
 すげぇ長かったな」

「どういうことですか……?」

「わかんない?」


ぽかんとする私に、
岬さんは少し呆れながら私を見て微笑む。

そして再び顔を近づけると、
息がかかるほど距離で耳元へ近づき……




「俺はずいぶん前から、玲奈を好きになってたってこと」




全身に電流がはしるほどの告白をした。
 
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