好きになんか、なってやらない
 
「すご……」
「これは……かなりの出来栄えだな」


一通りのメイクをし終わり、私を見て驚きの声をあげる二人。
いったいどんな仕上がりになったのか物凄く気になる。


「玲奈、めちゃくちゃ可愛いよ!ってか綺麗!!」


真央は嬉しそうにはしゃぐと、目をキラキラさせて私の手を握ってきた。


「でも、全然玲奈っぽさが残ってるだろ」
「ですね。綺麗になってるのに、化粧で化けたって感じではないです。ただ引き立たせたってだけで……」
「こいつはもともとがハッキリした顔立ちだから。
 何もしてなかったから地味に見えただけで、ちょっと色味さえつければ十分魅力的になるんだよ」
「凌太さん、溺愛してますねー」
「そ、そういう意味じゃねぇよ!」


自分がどんな顔になっているのか分からない目の前で、ひたすら三人は私を見て褒めている。


そんなに変わってるの?
早く鏡見たい。


「はい」
「あ……」


私のうずうず感が伝わったのか、真央が手鏡を渡してくれた。

たまらず鏡を自分の顔に向けて覗き込むと……


「わっ……」


キラキラしたその顔に、思わず驚きの声が漏れた。
 
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